SJCAM社 SJ4000を導入したので試写してみた 1/2
○導入までの経緯とかとか
 

  オンボードカメラは長らくEXEMODE製のYASHICAブランドの安物DVのDVC575を使っていました。単四電池で駆動する本当に普通の激安DVを壊れてもいいや〜くらいの感覚で使っていたのですが、いくつか不満点がありました。1つは電源が単四電池オンリーで外部給電が出来ないこと、1つは電池本数の多さによる本体重量増でエンジンの振動を拾いやすいことです。うち、後者は搭載2年目にマウントを改良してTDM900ではほぼ問題なくなったのですが、前者の問題はまったく解決されず、それどころかパナソニック銘になったeneloopの放電特性の関係で電池が全能力を使いきれないという不具合にまで発展していました。で、外部給電に改造しようか悩んでいるころに浮上してきた選択肢がSJ4000というわけです。


 DVC575は撮影画質自体にはまったく不満はありません(録音がサイテーですが)ので、今後も搭載DVや外部撮影DVとして併用する予定です。SJCAMが170度という超広角なのでバイクへ搭載する際は搭載方法や搭載位置を色々検討する必要はありそうですけどね。

○購入の決め手など
 搭載DVをSJ4000に決定した理由はいくつかありまして……

1.中国製というだけに送料込みで90〜100US$という笑えるくらいの低価格
2.hero3の1/3の実売価格なのに画質はhero3と同等、トンネルの出入りなどの明暗応答はGoProを凌ぐ性能
3.GoProと違い最初から背面液晶が固定装備されていて操作性が高い
4.当然ながらUSB給電撮影が可能な上にリチウムイオン電池なので電池性能に録画時間が左右されない
5.バッテリー+ハウジング込みでも超軽量なのでエンジン振動を拾いにくい
6.本体形状や本体付属のマウントがGoProと共通なのでマウント類はすべて本家GoProの高品質な社外品が使用可。

 というあたりです。
 
 1.に関しては実物を見ると笑えるくらいチャチなGoProの値段がボッタクリにしか思っていなかったので、1年くらい前からずっとSJ4000は検討にいれていましたが、あまりにも偽物が横行しているのと撮影機会が少なく、情報収集だけして決断を先延ばしにしていました。
 
 2.と3.に関してもGoProに背面液晶アタッチメントを追加するとSJ4000の4倍の値段にまで跳ね上がって恐ろしくコスパが下がります。また、性能面で言うとyoutubeにアップされている作例動画を見る限り、通常の日中屋外撮影の画質はほぼ同等、夜間はHDRをONにすればSJ4000の圧勝、トンネルの出口などの明暗応答もSJ4000の圧勝で、アマチュアがオンボード等で使うのにわざわざ4万円もするGoProを選ぶ必要がない性能でした。
 
 4.はDVC575でもっともネックになっていた点です。現状、パナソニック銘のeneloopを初めとした今売られている世代のNiMH電池は、三洋銘時代のeneloopを筆頭とする1世代前のNiMH電池と比べ、デジタル機器には非常に不向きな放電特性をしています。というのも、フル充電から少し電圧降下して暫くサチる電圧が1世代前に比べて僅かに低く、電池残量を電圧で検知しているデジタル装置では充電容量の3割程度しか利用できなかったりします。また、現行世代は1世代前より低温特性もずいぶん悪いので、三洋銘が冬場で90分撮影できるところがパナ銘では15分が限界です。当初はDVC575の外部給電改造を検討していました。
 
 5.これもDVC575でネックになっていた点で、DVC575は単4電池4本で電池が重く振動をよく拾っています。
 
 6.についてはSJ4000/5000の付属アタッチメントの一部が貧弱ですぐ壊れるという話が流布していますが、ネイキッドフレームやトライポッドマウントなどのGoPro純正やGoPro用互換社外品がそのまま使えるというレビューが参考になっています。
 
 今回購入を決断した最大の要因はTDM900の売却とMT-09 tracerの導入です。MT-09 traerの国内仕様はシガーソケットが1つ標準装備されますから、USB給電で撮影可能な軽量DVとなるとSJ4000系かSJ5000系、その中で一番コスパがいいのはSJ4000で白羽の矢が立ったわけです。TDM900もそうですが、IYHしたように見えて事前調査は1年くらいかけてやってますので、今回のオンボードカメラ更新もIYHではありません。
 
○価格面や品質のお話
 まず本体ですが、実質実売12000円前後というお値段からはちょっと予想外なほどしっかり作りこまれています。初期型(1型)は基板の品質が悪くてUSBコネクタがもげるなんて笑えないトラブルもあったようですが、SJCAMのロゴが入った後期型はそこも解消されているそうで、実際に実用に耐えうる品質へと向上しているようです。本体単体だと笑えるくらい軽いです。外観はGoProが見てくれにも随分コストを掛けている反面、SJCAMはちゃんと実用に耐えうるボタン類の設置と安っぽくはならない外装という感じで、安く上げる努力をしてるなあって思いました。電池は蓋を開けて落とし込む構造ですがこの電池蓋も日本メーカー製並にきっちり作ってあります。メニューの言語も一部怪しい日本語もありますが日本語も対応済みです。
 
 オプション関係の話ですが、GoProってオプションもひたすら高額で笑っちゃうんですが、SJCAMはGoProの〜〜〜エディションとかいうパッケージセット並のモノが基本セットに同梱されています。一部のオプションはすぐ壊れるというの話がやたらと有名ですが、実際に両方触り比べた感想で言うと、正直なところ両者で樹脂の品質に大きな差はないものの、GoProのほうが若干射出成型の精度が高い分マシというくらいで、実はどちらも結構チャチです。どっちにしてもアーム類の出来があまりにもチャチなので、それならいっそGoPro用の社外品でがっちりと、というのは当然の流れでしょう。SJ4000の初期付属のオプションの中では専用ネイキッドフレームなんかは丁寧に扱えば十分がっちりカメラを掴めて使い物になります。GoProだとそれに毛が生えた程度の品物で4000円とか5000円とかのお値段が付いていますが、GoPro用社外品の中にははるかに高品質で花形フードも付属して1800円とかいう商品も存在し、これがまたSJ4000でも装着可能だったりします。世間でSJ4000の純正アダプタで壊れる壊れると酷評されているのはクリップというかソケット式で分割できるタイプのマウントですが、これもちゃんと調べているとGoProの正規品でも頻繁な着脱でバカスカ壊れるようなので、SJ4000が中華製だからあしざまに言われているだけみたいです。SJ4000の正規品の場合、付属する防水ハウジングの出来はかなりよろしいです。
 
○購入先の検討
 購入する時にも色々検討したのですが、PayPalの利用も視野に入れるならFoxOfferから購入するのが一番安くて確実に正規品が手に入るのでお勧めです。私はPayPalはいったん解約してしまってる上にFoxOffer経由のドル建て円レート+送料とAmazonの正規品取扱店のお値段がほぼトントンだったのもありAmazonで購入することにしたのですが、Amazonの商品写真ですらモロバレのパチモンを売るストアも無尽蔵にありますので、よく考えて発注しないとスカを引くことになります。当然私も正規品と非正規品の違いをよく調べた上でストアを吟味して購入しており、最安値が8000円台のところを12000円弱で購入しています。実際に発注から10日で受け取った品物はたしかに正規品(ファームウェアのリビジョンが平成27年1月時点での最新版であることで確認済み)でした。とりあえず予備のLIBとかチャージャーは欲しいかな。あとLIBを抜いたらカレンダーがリセットされるのは勘弁して^^;;

正規品のメニュー画面。コピー品とは別モノですので一目瞭然。
フェイクとコピーの見分け方は結構色々情報が出ています。
 
(C)H27 Takayuki Kazahaya