SR-T101の整備 |
以前からファインダー内のシャッター速度表示がおかしかったんですが、軍艦部さえあけられれば自分でなんとかなるだろうと考え、カニ目レンチ購入を機にイッパツやってみました。内部機構が時計顔負けであり、そのおかげで極低温などOM-1と似たような耐久条件を持っているとは聞いていましたが、まさかこれほどまでの機械密度だとは思いもよりませんでした。
軍艦部の解体ですが、これは写真は各サイトに上がっているので文章で。ただしうちの機体は初期型です。後期型は一部部品が違うために、手法が違ってくるかもしれませんのであしからず。
フィルム巻き戻しノブはフォーク部にドライバーなどを突っ込んでハンドルを回せば取れます。その下にあるわっかはカニ目で外します。チャージレバーは上のテーパ状の部品を手で回らなければパイプレンチなどで外せばすっぽり抜けます。シャッター速度/フィルム感度ダイヤルは上部にある小さいネジ1本を抜けばOK。あとは背面2本、右側面1本、計3本のビスを抜けばカバーが外れます。 |
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画像の中のセレンは間違い、CdSが正解。無知な頃に作った画像なのでご容赦を(汗
カバーをあけてその各部を解説したのが左写真です。これを見ると分かるのですが、本当にこの中に各部機能が詰め込まれています。おそるべし、千代田光学……。
この写真ではすでに撤去してありますが、2本の糸の間にはアイピースがあります。
プリズム上部には2個のCdSがあり、各々上下半分ずつの露出を担当、TTL開放分割測光を実現しています。上下2分割測光というのは最近のAFエントリーモデルとほぼ同等。35年前にこんなモノが組み込まれていたわけです。
見えてる銀色の押さえ板を外せばごっそりプリズムが下ろせますので、スクリーンにゴミが入っちゃった場合はブロワで吹きまくれば綺麗にお掃除可能です。すでにワテクシは3回ほどやっています。
そしてシャッター速度表示の修理です。この機能はファインダー下側をとおる糸に金物が引っ付いていて、これの位置が左右移動することでフォーカス面下部に情報が投影され、視覚的に分かるという仕組みです。左端でバルブ、右端で1/1000秒で、右に回るのはシャッター速度ダイヤルの回転で勝手に移動するのですが、左へは巻き上げドラム内のバネの反発力を利用しており、このバネが緩んでいるとどうしようもありません。今回は軸ネジを緩めて適度にテンションを加え、その状態で軸を再固定し、ちゃんと巻き戻るようにしました。
実はその後、このファインダー内へのシャッター速度表示機能を壊してしまいました。糸が切れちゃったんですけどね。今は鮎つり用の道糸を使って補修してありますが、微妙に糸の太さが違うので正確な表示はできません。 |
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(C)1998/2001Takayuki Kazahaya |
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