Indastar-61L/D

 
 FED(ФЕД)製の標準レンズ。FED3以降、Indastar-26Mに代わって標準レンズとして付属してくるようになったそうです。私の手持ちの個体もそんなFED製のIndastar-61L/Dなんですが、なんと新品で手に入れてしまったのです。でもハコ、取説、パスポートは付属せず。がっくし。

 ちなみにL/Dという表記はランタンガラスを使用しているということだそうです。ランタンガラスってなんやねん?ってググってみると、APOガラスのような高屈折ガラスの一種なんだとか。これが開発されたおかげでトリウムガラスを使用しなくてもいいようになり、レンズ職人の被爆が減ったんだとか。

 ところでなんで新品だったのに整備コーナーに混じってるの?ってことなんですが、やっぱりソ連・ロシアもんです。消費量なんて気にせずガンガン作った結果、在庫だけがうずたかく倉庫に山積みになってしまったというオチ。たった数年の在庫でこの状況ですから、どうもソ連やロシアで民生品として出回ってるグリス類の質はかなり低質なもののようです。で、仕方が無いのでグリスのうち替えをやったろうということになりました。構造自体はそんなに難しいもんじゃありません。

 まずマウントの3本のねじを抜きます。ねじロック剤が塗られていますが楽勝で抜けます。マウントを外し、フランジバック調整用の段付きリングを引っこ抜くと、無限位置でかろうじてヘリコイドの端っこだけ見えますので、ここから爪楊枝で少量ずつ、根気良くグリスを打ち込んでいきます。何度かやっているとそのうちゴリゴリした動きがスムーズになって行きますので、適当なトルクになったら打ち込むのを止めればOKです。これ以上バラすとレンズ自体の無限遠調整が必要になります。
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