Minolta XE のAuto/露出計不良の修理 |
XEはX-1と比べてずいぶんとタマ数の出てくるボディですが、かなり古いボディであるため、いろいろと不良が出ている機体が多いです。シャッター関連の不良のうち、機械式で切れる速度以外でミラーアップしっぱなしという奴は、これはボディ内部の制御チップがぶっ壊れているので素人修理は難しいですが、露出計の不良から来るAutoでまともに露光できないというトラブルは、これはかなり簡単に回復できてしまいます。
○2003/02/05追記○
最近XEの修理に関連した検索結果で来訪される方が多いようですが、直るXEと直らないXEの大雑把な判別方法を記しておきます。直る可能性のある個体は新品電池を入れて電源ONにしてレリーズしたとき、XとB以外でもミラーがちゃんと降りてくるものです。前文で書いてあるとおり、電源ONでミラーが上がりっぱなしになる個体はここのやり方では直りません。また、電池入ってるけどミラーが降りてこないだとか、バッテリーチェッカーが光るのにミラーが降りてこないという症状も聞き及びますが、基本的にXEは電圧制御です。水銀電池SR44を使用することを前提として電装設計されています。LR44や代用リチウム電池ではまともに動かない可能性も捨てきれませんので、動作確認は必ずSR44を使ってください。SR44を突っ込んでミラーが降りてくる個体の大半は露出計の数値がかなりおかしいはずです。またXEのジャンクを漁る場合ですが、空巻き上げ時にゴリの感じられるものは必ずパスしましょう。かなり酷使されていますので、近い将来油切れを起こして固着することが予想されます。というかゴリゴリしている時点ですでに油切れし始めててご臨終寸前なんですけどね。
○2006/02/14追記○
電源スイッチが折れるトラブルですが、電源スイッチのレバーに生えてるプラ足を削り取り、そこにφ1.0mm程度のドリルで穴を開け、炭素工具鋼とか強烈に硬い材質で出来たピンを埋めてやってください。そうすると悩み解決するはずですが、ヘタにやると私の個体のようにシャッターロックが効かなくなります。また、この加工をするまえにまず、スイッチの動作そのものを改良する方法もあります。スイッチの軸心を止めてるネジがどっかにあるはず(ええかげんなことでスマソ)なんで、そいつを+ドライバでごにょごにょするとある程度は調整できます。ただし先述しましたが、この辺をごにょごにょしてどうにかした結果、シャッターロックが効かなくなり、露出計に電源が来ないままレリーズされたのでミラーアップしっぱなしになるという間抜けなトラブルが発生します。XEの保管はシャッターは巻き上げないほうが無難です。
○2006/12/14追記○
露出計不良ですが、構造を見れば判るとおりスライド抵抗とブラシの接触により制御されている関係上、どちらかの接点が磨耗により劣化すると部品交換以外での修理は不可能になります。実際、管理人の手持ちの個体はこれで使い物にならなくなりました。
余談が長くなりましたが続きです。
用意するものですが、カニ目回しとピンセット、精密ドライバー、接点復活剤、綿棒多数です。
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まずアイピースシャッター左下にあるネジ(1)を抜きます。フィルム蓋を開け、フォークにドライバーを突っ込んで巻き上げハンドルを回し、巻き上げハンドルを抜き取ります。ISO感度設定ダイアルを押させえているナットをカニ目回しかピンセットで回して外し、ISO感度設定ダイアルを外します。 |
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矢印で示したネジを全部抜きます。ただし軍艦部脇全面のネジがあったかどうかはちと度忘れしています。またこの周辺には露出値を伝達するリード線や絞り値を伝達する糸などが細かく走っているため、これらの断線には細心の注意が必要です。 |
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赤く丸で囲った部分にスライド抵抗があり、上側がISO感度設定と露出補正数値、下側が絞り数値の設定になっていて、分割測光で得られたEV値に対して最適なシャッター速度数値を返す仕組みになっています。要するに流れる電流量でチェックしているわけで、電流値0で絞り値が最大だと4秒分の信号を返すような仕組みになってるんでしょう。
組み戻すときはまったく逆の順番をたどればいいわけですが、ガワを取り付けるときに注意しないと、電池残量チェッカーがうまく使えないなんて事態になります。お気をつけを。 |
(C)2002-2006 Takayuki Kazahaya |
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