minolta XE

 

 

 ミノルタMF全機種中、もっとも操作性がよいと思われる個人的ベスト機体。おかげで気が付けば最初に手にした銀ボディが腐った後、立て続けに黒ボディを入手するまでにハマってしまいました。なお、平成28年現在で稼働する黒ボディ1機、整備ミスした黒ボディ1機、露出計不良の黒ボディ1機の合計3機保有。銀ボディは完全に部品どりとなりました。

 X-1が発売されたころ、完全プロ向けでお値段もハイパーだったX-1の弟分として発売されたのがこのXE。絞り優先AEと追針式MEが使える機体です。SR-T101から受け継がれてきたCLC分割測光はこのXEを最後に姿を消すことになります。XEの一番の特徴はなんといっても縦走りメタルシャッターでしょう。CLSシャッターと名付けられたこのシャッターユニットは、当時ライツ社と技術提携していたミノルタがコパル社と3社共同で設計したもの。ユニットそのものとしての精度と耐久性は結構ありますよ。制御系の電装がやたら弱いだけですが(苦笑)。

○使い勝手
 XEの操作性は抜群です。レリーズに人差し指が掛かるように握ると自然と親指が巻き上げレバーのところへときます。また、シャッターダイアルの位置はSR-T101のころから変わっておらず、自然に扱いやすい位置にあります。ファインダー内情報は右側に最適シャッター速度が追針で表示され、絞り値が上方、選択シャッター速度が右上に表示され、ファインダーから目を離さずにAE、MEどちらでも露出決定が出来ます。ただ1つの難点はというと、訳のわからないところにある電源レバー。軍艦部背面右側、フィルムカウンター脇という場所にあります。確かに握ったときに親指が自然に掛かる位置にあるんですけどね。こまめに電源を切れということでしょうかねぇ。

○持病と対策
 XEは電装系と巻き上げ系の2つのアキレス腱を持っています。

 ミノルタMF中最上級とも言われるシルキーな巻き上げのXEですが、この巻き上げの途中で引っかかり感が出始めると黄信号。そのうちゴリゴリといいだしご臨終します。

 そして最大のネックは電気系です。露出計の針が触れてるのにシャッターが機械式でしか切れなくなるトラブルが多いと思います。これはCLSシャッターの制御部がぶっ壊れてしまったトラブル、らしいです。こうなると素人修理では逆立ちしても無理ですね。ミラーアップしっぱなしなのはミラーボックス内にある接点の不良ですが、これも素人が修理すると酷い目に遭います。

 もっとも多いのはAEがずれるとか、絞り環の操作にAEのが追従しないというAE周りのトラブル。AEズレはCdSの劣化が原因の場合が多く、スライド抵抗の清掃で直らない個体はCdS交換で直すことになります。AEの追従不良はスライド抵抗の劣化や磨耗が原因で、こっちは抵抗の清掃で直らなければ抵抗の交換で修理する事になります。どっちにしても抵抗を掃除して直らなければ業者へ修理依頼することになります。

 あとはX-7やXG-Eでもあるお決まりのトラブル、モルト劣化の道連れでプリズム蒸着面が腐食するというアレです。こればっかりは再蒸着するか銀鏡反応で再めっきするかしかありません。

○購入ガイド
 XEはミノルタMFの中でも結構オススメの個体です。実はミノルタMF愛用者の中で、私のようなXE派と、minoltan-MLのにしきんさんのようなXD推進派と、両派に分かれます。私は故障率の低さとトラブル時の回復のしやすさ、各部の操作性などからXEを推します。XDもいい機体なんですがレリーズ関連の故障が発生すると即致命傷になるのが痛すぎるのです。まぁ全部集めちゃえば終わりなんですが、AEのついたSR系が欲しいって人にはXEはオススメのボディだと思います。
(C)2002 Takayuki Kazahaya