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オリンパスの誇るバカカメラのうちの1つ、XAです。これを企画した人はOM1桁シリーズやPenシリーズを手がけた米谷さんという方です。
当時の市場の流れとしては、コンパクト機は素人さんが手軽につかえる機体という方向性だったんですが、この機体はそれと真っ向から反対方向へベクトルが向いています。Penシリーズと変わらないサイズのボディにレンジファインダーと絞り優先AEを詰め込んじゃったんです。しかも画面サイズは35mmフルサイズときます。
専用オートストロボはうちの手持ちは初代と同梱されたA11で、ガイドナンバー10のもの。ISO100とISO400のときに外光オートが使えます。日中シンクロもつかえます。ちゃんと取扱説明書に日中シンクロの使い方まで書いてあるのにはびっくりでした。たしかもっとガイドナンバーのでかい外付けストロボもあったような覚えがあるんですが、鬼レアアイテムなので実物を拝んだことはありませぬ。
ところでこのボディ、MF機で絞り優先AEだから難しいんだろ〜って話になるんですが、距離指標を3mに、絞りをF5.6に設定してテキトーに撮る、なんてことも可能です。ISO200やISO400を詰めたときはF8くらいにしてやるといいかも。35mmで被写界進度がかなり深いですからね。日中ならF5.6だと振り切れちゃいますし、説明書ではF5.6〜とか書いてますが、個人的には昼間ならF16くらいに設定しておきゃ問題ないと思います。
このカメラは良くも悪くも非常に小さいことが特徴です。Kiev4と比べた写真を見ると小ささが分かりますが、実はXAってハーフサイズカメラのPenやPen-Sとまったく同じサイズなんだそうです。そこに135版のフルサイズを仕込んで絞り優先AEまで実現してるんですからびっくりです。そうそう、このボディデザインは海外ではクラムシェルとか言われてて人気だそうで、国内ではグッドデザイン賞を受賞しています。小さいことが悪いことに繋がると書きましたが、非常に構えるのが難しく、画角に指が掛かりやすいのです。また手ブレも発生しやすいですから気をつけないと低輝度では手ぶれしてしまいます。
写りに関する部分ですが、結構ハイコントラストであざやかなほうです。描写は近接でははっとするくらいシャープです。大体5mくらいまでかな。中距離〜遠景になると少しもっさり気味です。この差は何なんだろ。絞り込んでナンボという感じです。遠景を生かした風景写真とかにはいいかも。空を写すと真っ青になります。いわゆるズイコーブルーって言う奴ですね。絞り込んだら多少の周辺落ちはありますが、それもまたレンズの味という感じで悪い雰囲気はありません。個人的にはこのレンズ、Lマウント版が欲しいですよ。
このXAというカメラは私の思い出のカメラの一つです。03年7月ごろ、色々とあって非常に凹んでいた時期がありました。ところがある朝、ふとしたことからこのXAを引っつかみ、戦艦でお出かけし、フィルム1本撮りまくった日がありました。その日撮った青空は抜けるような青で、以来気持ちがすっきり切り替わったというもの。光画館に置いてある「ある日晴れの日」です。そんな1台目のXAは9月に事故で壊れてしまいます。そして今回の2台目の入手、なにかが変わるキッカケになってくれればと思います。 |