MINOLTA X-70
 海外での発表は1981年、国内での発売開始は1982年のカメラ。型番や外観からX-700のスペックダウン機と思われがちですが、はっきりいうとXG-Sの発展改良型です。X-700のスペックダウン機はX-500です。

 X-700の弟分と思われがちな外見ですが、スイッチが電源のON/OFFだけな点、シャッターダイアルにPマークがない点、セルフタイマースイッチの場所がマウント右側面な点だけで、細かいところまでほとんどX-700(クローム)そっくりです。底蓋の接点はワインダー接点以外にモータードライブ接点を持ちますが、裏蓋内のデータバック接点はありません。

 機構的な差ですが、X-700は測光にシリコンフォトセルを採用していますが、X-70の受光素子はCdSで、これはXG-Sの流れを汲むもの。ファインダー内の表示もXG-E/SやXDと同じ丸いLEDで、XG-E/Sとの違いはME時にも露出計の数値が表示される点です。ピントマットもXG-S同様取り外しが出来るのですが、これがまた見事にXG-Sと同一のものが使われています。ME時は露出計数値列の最下段に赤でMと表示が出ます。ME時に選択中のシャッター速度数値が表示されないのはX-700と同様です(X-500、600、300系ではファインダー内に最適値と選択値が同時に表示されます)。フィルムカウンターの回転方向が左回転な点や、フィルムの巻き上げの感触、Auto時にシャッター速度が1/1000sを超えるとレリーズがロックされる機構もまるでXG-E/Sです。

 XG-Sからの発展個所といえば、先述のME時の露出表示以外に、X-700/500/300用アクセサリーであるモータードライブ1がフルスピードで利用できる点くらいです。海外ではXG-Mという型番で発売されていました。なお、絞り優先で使ってる限りにおいては、その使用感はほぼX-700です。ストロボダイレクト測光の使えないX-500として使うのがいいようで。 
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