minolta Hi-Matic F

 
 家庭で写真を撮るのが普通になってきた時代、市場は「コンパクト」「よい写り」「簡単な操作」という機種を求めていました。それまでのミノルタのRF機はというと、一部でデカマチックとか言われるような、一眼レフ並の大きさ・重量のフルメタルボディだったのです。で、まずEE露出専用のハイマチックEを発売し、これがそこそこ小柄(オリンパスE-410程度の大きさ)でよく写ったもんで、バカみたいに売れたのでした。そのEをさらに小柄にし、ボディパーツの一部をプラ製にして軽量化し、ファインダーのパララックス補正等を無くしてコストダウンも図った機種がこのハイマチックFなのです。レンズの出っ張りが無ければ大きさはオリンパスXAとほぼ同じ、つまりオリンパスPenとほぼ同じなのです。

 レンズの描写は基本的にかなりシャープで、そこそこ絞りが開いている状態でもキッチリ描写してきます。もちろん晴天の屋外なぞで撮ると非常にシャープに写ります。反面、レンズ本来の描写は低輝度でも上々なのですが、EEの仕様の問題なのか、ややオーバー気味に写る傾向があるので、この辺は夕暮れ時などはASA感度で多少補正してやったほうがいいかもしれません。EEは2秒〜1/750秒というものの、実際にはスローはレリーズしていると2分でも開いてます。ただレリーズから指を離すとシャッターが閉じちゃうんですけどね。

 このカメラの一番の難点はというと、電池が切れてもとりあえず「シャッターが切れたっぽい音」がすることなのです。物理的な構造部分までは動作しちゃうのですよ。実際、義妹に貸してた時期、その「実際には切れてなかった」症状で未露光部分がいっぱい出来ちゃったのでした。電池の状態は背面にある赤いボタンを押してチェックします。こいつを押した時に低輝度警告用のランプが光ればOK、光らなければ電池交換です。
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