写真、特にMFカメラで絞り優先AEをメインに使っているとわいてくる疑問、それが絞り値の数列の意味だと思います。例えばレンズの開放F値だって1.7だと1.4だの色々あります。絞り環に刻まれた値も1.7、2.8、4、5.6……となっていると思います。
実は絞り値というものですが、これは「開放F値からナンボほど絞られたか」というのを基準に決められていて、絞られた割合は面積比で計算されます。また、開放F値というのは原理的には「前玉有効径÷レンズ実焦点距離」で計算されます。表されるんですが、この数値もズームレンズや広角レンズなんかだと全然当てはまりません。
さてはて、絞り値の数列に目を戻しましょう。上に上げた数列を順に書き出してみます。
1.4、2、2.8、4、5.6、8、11、16、22、32
となっていると思います。で、ここでこういう数列を準備します。
2、4、8、16、32、64、128、256、512、1024
さらにこの数列の平方根を有効数字小数点以下2桁で取ります。すると……。
1.41、2.00、2.83、4.00、5.66、8.00、11.31、16.00、22.63、32.00
で、これを有効数字2桁で切り上げると……
1.4、2.0、2.8、4.0、5.6、8.0、11、16、22、32
となります。ほら、絞り値に戻ったでしょ?絞り値というのはF1に対して開口直径比をあらわすので「1:1.4」などと表現され、数列自体は要するに面積比の平方根、つまるところ開口直径の比になっているのです。面積比で倍数系列ということはこれを口径径の比に直すと2の乗数の平方根になる、と。要するにそういう意味なんですよ。
ちなみに時々出てくるハンパな開放F値もF1に対する面積比の平方根になっています。1.7だったら3の1/2乗、2.2なら5の1/2乗、4.5なら20の1/2乗といった感じです。開放F値1と想定される理想モデルのレンズに対して開口面積が1/nになったかという数値を求め、nの平方根を求めたら絞り環に書かれているF値になった、というのがその数値の真意ですね。
で、この数値を元に考え出されたのがAv値、ApatureValueです。Av値はF値を2乗して2の対数を求めたものです。つまりF=1に対して何絞り絞ったかを数値化した値になります。F○から○絞り絞ったという計算はAv値の引き算で求めればいいわけです。ま、Av値を求めるのめんどくさいし覚えるのも大変なんですけどね。 |